『糸』

めぐり逢う、ふたつの物語。 13歳、初恋。二人は遠く引き離された。 21歳、再会。過ぎた時間は取り戻せなかった。 31歳、現在。もし、もう一度だけ、あなたとめぐり逢えたなら…。 人は奇跡のような確率で、誰かと出逢っているー 平成元年に生まれた漣と葵。 すれ違い、遠く離れ、それぞれの人生を歩んできた二人が、平成の終わりに再会を果たす…。 これは、運命に引き離された男女が再びめぐり逢うまでを、 平成という時代の変遷とともに描く、壮大な愛の物語。 平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、葵が突然姿を消した。養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その直後、葵は、母親に連れられて北海道を去ることになった。そのことを知らなかった漣は見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された…。それから8年後。地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた…。

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