ブランディング7つの原則 – 持続的なビジネス成長の実践ノウハウ(10冊目):ブランド「を」マネジメントするのではなく、ブランド「で」マネジメントする。

グループブランディングを取り組み中のわが社において参考になる書籍である。

この7原則に基づいて実践する。

経営者の本気度が問われる難しいテーマだ。

ブランドオーナーの意思

  • ブランディングを成功に導けるか否かは、「企業の意思」のよるところが大きい。
  • 企業の意思とは、経営者・CEO等のトップマネジメント以外に、企業の歴史・文化、さらには社員の意思も大きな要素である。
  • 日本企業の場合、トップダウン型でブランディングを進められるケースが多いとは言えない。
  • ボトムアップ型であっても経営トップの強いコミットメントがあれば活動はスムーズに進む。

顧客インサイト

  • 顧客ニーズがどこにあるのかを把握し尽くすこともブランディングを推進するために必要な要素である。
  • 「アンメットニーズ」(競合や顧客自身も気づかないニーズ)をどう解明するかが知恵を絞る必要がある。
  • 「エスノブラフティ」「バズ分析」「カスタマージャーニー」等の分析手法から顧客インサイトを発見する。
  • 顧客中心の新たな取り組み(オンライン上のコミュニティプラットフォームの活用)による「共創」の取り組みが主流である。

競合との差別化

  • ブランディングで最も必要な要素は「差別化」である。
  • 顧客の頭の中で、他と違う何かがあって初めて選ばれる存在となる。
  • 選ばれるためには、他社と何がどのように違うのか、ブランド独自のポジションを定める必要がある。
  • 自社の強みと自社顧客が評価するポイントを明確化にすることが必要である。
  • 競合の動きや他社顧客も含めた市場ニーズを踏まえ、「今」だけでなく「今後」どのようなポジションに目指すのが有効か検討する。
  • 他とは違う存在であることを鮮明にするために、人間の人格にあたる「ブランドパーソナリティ」を定める。

ブランドの拠りどころとなる中核概念

  • 「ブランドの中核概念(目指す姿)」の設定は、ブランディングを推進していく上で必要不可欠な原則である。
  • 「ブランドオーナーの意思」「顧客インサイト」「競合との差別化」は目指す姿となるブランドの中核概念を導くためのインプットである。
  • ブランドの中学概念(目指す姿)は企業が行う様々な事業活動、コミュニケーション戦略はもとより、事業戦略、流通戦略、出典戦略、商品戦略、人事戦略等、全ての企業活動の起点に位置付けられる。
  • 全社一丸となった企業活動の拠りどころにふさわしい普遍的な表現の追求をする。

ブランドの中核概念を体現するための仕組み

  • その概念を具体的にどのように表現していくのかを定める必要がある。
  • ステークホルダーに伝わることが重要。
  • そのブランドの「らしさ」を表現し、顧客に対して望ましいブランド体験を、全方位かつ一貫性を持って提供する必要がある。
  • そのブランドらしい「言い方(バーバルアイディンティティ)」そのブランドらしい「見え方(ビジュアルアイデンティティ)」を細部にわたって定めていく必要がある。
  • ブランド「らしさ」を表現し、そのブランド「らしい」顧客体験を実践するためには、ブランドマネジメント・ガイドラインを整備し、関係者の間で意識にブレが生じないよう、精微で運用しやすいブランドガイドラインやフォトライブラリー、各種テンプレート等を整備している。

ワンボイスの社内浸透と社外コミュニケーション

  • ブランディングの目標はブランド価値の最大化である。
  • ブランドの中核概念(目指す姿)を実現していくために極めて重要なのが、社内の浸透活動である。
  • 必要なことは「一般的なできる社員」を育てることではなく、「ブランドに相応しい発想をし、その考え方を業務で実践できる社員」を育てることである。
  • ブランド「を」マネジメントするのではなく、ブランド「で」マネジメントする。
  • 顧客をはじめとした社外のステークホルダーに浸透させることも極めて重要である。
  • 大切なのは「ワンボイス」で発信することである。
  • 広告はもちろん、WEB、展示会、イベント、さらには店舗や営業の最前線のビジネス活動自体も含め、全てのタッチポイントにおいて言い方(バーバルアイデンティティ)、見え方(ビジュアルアイデンティティ)が統一され、一貫した世界観でブランドの中核概念(目指す姿)を表現することで、初めて顧客は「らしさ」を感じる事ができる。
  • 日本企業の対外的なブランドコミュニケーションは「ブランドは広告でできる」といった誤解のもと、「インパクト」を追い求めてブランドを犠牲にする問題が少なからず見受けられるが、これはブランディングにとって、百害あって一利なしだと断言できる。

効果測定と新たなサイクルへ

  • 絶えずその効果を測定し、フィードバックし、改善するというサイクルを続けてこそ、ブランドは強固になる。
  • 重点に置きたいのは、効果測定時の「問題点の抽出」に対して具体的な「改善策」を提示することである。
  • ブランド強固を測定する指標として「ブランド強固スコア」の10指標を設定する。
    • 社内指標:概念明瞭度、関与浸透度、統治管理度、変化対応度
    • 社外指標:信頼確実度、要求充実度、差別特有度、体験一貫度、存在影響度、共感共創度
  • 全社活動としてブランディングのKPIマネジメントを行うケースが多い。

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