瞑想を行うことで、日々の日常生活が劇的に変わります。
若い頃から自分は成功すると信じていたが、40代過ぎた頃から、思い通りの人生を歩めていません。
30代は仕事上の酒の付き合いで糖尿病を患い、40代は仕事上の人間関係のストレスにより潰瘍性大腸炎になりました。
仕事により健康を害するばかりで、それに見合った人生の成果がない。。。
自身の生き方に疑問を感じ、心をリセットをしたく、本書に出会い、騙し騙しのつもりで瞑想を試してみました。
そして自然に囲まれた生活をしたくて、思い切って湘南に移住しました。
リモートワークが普及した今だからこそできることです。
毎朝、サーフィンにいく過程で行き帰り30分間で自転車に乗りながら瞑想をしています。
そして今はオンライン座禅もできるようなご時世です。
無料で参加できる円覚寺のオンライン座禅会を通じて、瞑想を継続しています。
今では「心の持ち方」をコントロールすることができるようになりました。
そして過去の考え方やこだわりから解放され、楽な気持ちで“生きる”ことができるようになりました。
私と同じように40代過ぎて、自分の人生を見つめ直し始めている人もいると思います。
私自身も同じ悩みを抱える立場として、本書を通じて、以下5点を皆さんにお伝えることができればと思います。
- 仕事に人生を捧げ、結果として疲弊した自分の生き方に疑問を感じている人に対して自分の生きてきた歩みに対して自己肯定感を生み出せることを伝えたい。
- 心にゆとりが持てず、日々焦って生きている人に対して心にゆとりを持てることを伝えたい。
- 日々、頭に雑念が生じ、人の話を集中して聞くことができない人に対して意識を集中する習慣が身につき、人の話を理解することができることを伝えたい。
- 瞑想に興味があるけど、どうしたら良いかわからない人に対して瞑想は簡単にであることを伝えたい。
- 瞑想というトレーニングを通じてストレスをコントロールする能力が高められることを伝えたい。
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著者のプロフィール
ジョン・カバット・ジンは、マサチューセッツ大学医学大学院教授・同大マインドフルネスセンターの創設所長。国際観音禅院の崇山行願に禅を師事し、ケンブリッジ禅センターの創設メンバーとなった。仏教の指導者に修行法と教理を学んだ彼は、それを西洋科学と統合させた。本書を記した意図は、一般の人がマインドフルネスと瞑想を理解でき、またそれが当たり前のものになるようにするためである。今ではGoogle、Apple、Facebook等の有名企業が研修で瞑想を取り入れている。
本の概要
瞑想の考え方
- 将来を変える唯一の方法は、”今”という瞬間を自分のものにすることである。そうすると自分の人生に生き方が見えてくる。
- マインドフルネス瞑想法は”注意集中力”を高めるためのトレーニングを体系的に組み立てたものある。
- 注意を集中するということは、”一つ一つの瞬間に意識を向ける”という単純な方法である。
- 以前ならコントロールできなかった不安定や絶望感、怒りなどの感情を自分でコントロールできるという自信が生まれる。
- この何もしていない、ということが非常に意味があることである。
- このトレーニングの目的は、全ての行為をやめる時間を作り出す、ということにあるのです。
- 私たちは自分の行為や経験を十分に自覚しないまま多くの自動操縦状態で習慣的に過ごしている。
- マインドフルネス瞑想法を始めると自分が自分について何も知らない、ということがわかる。
- 私たちが知らなければならないのは”現在”という瞬間だけである。
- ”現在”とい瞬間だけを知覚し、学び、行動し、変え、癒さなければならない。
以上、瞑想の考え方のもと、マインドフルネス瞑想法を取り組むにあたっては、次の七つの態度が重要である。
①自分で評価を下さないこと
自分が評価を下そうとしていることを認識し、偏らない客観的な観察者の立場でその状況を見るように意識的に努めなければなりません。
②忍耐強いこと
物事にはそれなりの時間の経過が必要だということをよく理解して、全てを受け入れるということである。
③初心を忘れないこと
あらゆる事柄を初めて見た時と同じように受け止める姿勢が大切なのです。
④自分を信じること
瞑想ではあらゆる点で自分の基本的な判断を信じる姿勢が大切になってきます。
⑤むやみに努力しないこと
究極的に瞑想とは何もしないことなのです。瞑想のゴールは、あなたがあなた自身として存在するようになることなのです。
⑥受け入れること
受け入れるということは、物事を、今はあるがままに見るという意味です。
⑦とらわれないこと
マインドフルネス瞑想法では、何かにとらわれてもそれを手放そうとする姿勢を持つことが重視されるのです。
瞑想法
①呼吸法
瞑想を行い、治癒力を高めていくうえで、呼吸は重要な役割を果たします。呼吸を意識すれば、“今”と、“ここ”に注意を集中することができます。マインドフルネス瞑想法を習得する最も簡単で効果的な方法は、自分の呼吸に注意を集中しながら、そのあいだにどんなことが起こるかを観察する方法です。
- 呼吸に注意を集中するということは、文字通り、“注意を集中する”こと以外何でもありません。
- 呼吸を自分に強制したり、深く呼吸をしようと努めたり、呼吸のパターンやリズムを変えたりということをする必要はありません。
- 実際、コントロールしようとするとかえって逆効果になります。
②静座瞑想法
呼吸をしたり、座ったりするということは何も特別なことではありません。しかし、注意を集中して座っているということは、普通に座っていることと違います。呼吸にしても同じです。その違いは、注意を集中しているかどうかということなのです。何もしないための一定の時間と場所を作らなければなりません。そこで意識的に注意を集中し、姿勢をリラックスした状態を保ちます。この姿勢で、“今”という瞬間を何かして過ごすのではなく、“今”のあるがままを穏やかに受け入れるようにします
- 頭と首と背筋を一直線にして、垂直に座る。
- これは呼吸を楽にするだけでなく、自分の内部の自信や受容力、注意力を高めることにもなる。
- 呼吸という一点に注意を集中しなければならないと考えるのではなく、その瞬間に起きる全てのことを受け入れて一緒に生きるという柔軟性を開発することが大切。
- 呼吸から注意が離れているということに気づいた時点で、「よし!ここで呼吸に注意を戻して、今、考えていることをやり過ごそうと言い聞かせる。
- 瞑想中は、全ての思いを公平に扱うようにして、その内容とは関係なく、どんなものにも注意を向けるようにする。
- 何かを考えてしまうことが悪い瞑想で、何も考えないことが良い瞑想であるというふうに考えてはいけない。
- 問題は、考えていることに自分が気がつくかどうかということを、そして気がついた時点でどうするかということなのです。
- 瞑想中に、あれもこれも今日中に片付けなければならない、といった思いが湧いてきたら、それは単なる思い込みとして扱うようにしてください。
③ボディ・スキャン
自分が注意をしている体の一部が感じている本当の感覚を感じとり、その場所に、あるいはその中に自分の意識をとどめようとする方法です。
- ボディスキャンは体を浄化するためのものだと考えてることができます。つまり、体の下から上に向かって注意を移動させながら、緊張感や痛みを捕獲してそれを頭のてっぺんまで運んで、呼吸を使って体の外に吐き出してしまい、体を浄化するのです。
- むりやり、体から緊張感が抜けていくイメージや、体の中に入ってきた空気が自分の体に生気を与えてくれるイメージを作るよりも、それぞれの場所にある感覚を感じとり、その感覚と共に存在する、という意識を持つことの方がはるかに大切なのです。
- 瞑想で何らかの成果をあげたいと思うなら、何かを得ようと期待するのではなく、瞑想することを目的として励むのが最良の方法なのです。
- 瞑想の場合は、何かの目標を目指して励んでも、”今”という瞬間の現実を十分に意識し理解しようとしない限り、変化や成長や治癒力の育成は望めないのです。
- 瞑想は、失敗とか成功といった概念を超えたものである。
- 何かを目指そうとか、何かが欲しいとか、目指す場所に到達したとか、成功とか、失敗といった思いが心の中にあることに気づいた時にそういう思いも”今”という瞬間の現実の一つだと考えて尊重し、受け止めることができるか?それは明らかにその瞬間の一時の感情や思い、希望、判断であると受け止め、その中に引き込まれたり、自分を見失ったりせずに、解き放つことができるか?これができていれば、あなたの行っっている方法は、注意集中力を開発する正しい方法だと言えます。
④ヨーガ瞑想法
自分の体と共に生きる方法は、いろいろあります。瞑想的な意識さえ持って行えば、どんな方法でも成長と変化と癒しを促してくれます。その中でも体を変化させるという点で、また、非常に気持ちが良いという点でもっとも有効なのが、ヨーガ瞑想法です。
- 注意を集中しながら行うヨーガ瞑想法は、ボディスキャンや静座瞑想法とともに、瞑想法の3本柱の一つです
- ヨーガとは、サンスクリット語で、結びつける、という意味です、ヨーガをするということは、心と体を結びつける、あるいは統一する、つまり心と体が一体となった体験をするということです。
- 注意しながら体を限界まで伸ばし、その限界を超えない限りギリギリのところで呼吸してください。
- 自己の存在感を感じとるためには、注意力や意識を動員しなければなりません。
ストレス対処法
①時間のストレス
時間の束縛から解放するために、時間ストレスへの対処法は”意図的に何もしないこと”である。時間のプレッシャーに完全に押しつぶされそうだと感じている人は、まず、”しなければならない”ことに使う時間を、”何もしない”ことについやすにはどうしたらいいか、ということを考える必要がある。時間の束縛から抜け出すための四つの方法を紹介する。
- 何が必要なのか、を見定める
誰にも毎日24時間という時間を与えられているが、闇雲に仕事をしなければならないのか、あるいは体を犠牲にしてまで仕事をする価値があるのかどうか、自分には何が必要なのか見定めてください。 - ”現在”という時間の中で生きる
”今”しかない瞬間に意識を集中し、”今”という時間を生きるようにしてください。自動操縦状態を抜け出し、”今”を意識し、受け入れることができれば、生活はより豊かになります。 - 瞑想を行う
毎日、意識的に瞑想を行うことです。瞑想は、”時間の流れの中から抜け出し、現在という静止した瞬間の中に自己を置く”ということを意味しています。 - 生活をシンプルにする
生活をシンプルなものにすれば、些細なことでも、生活に見違えるような変化をもたらすことができます。シンプルにすることは、やるべきこと、やりたいことの優先順位を決め、同時に意識的に切り捨てるものを選択するということです。
②対人のストレス
コミュニケーションという言葉には、”人々の絆を通じてエネルギーが行き来する”とうう意味があります。また”お互いに一つになり、結びつき、分かち合う、という意味も含まれます。つまりコミュニケーションとは”心を一つにする”ということである。状況を全体としてとらえ、お互いの考え方を理解することなのです。ある状況のもとで、自分が「ノー」と言わなければならないことがわかっているとします。こういう時は「ノー」という言葉が相手に対する武器にならないようにして、「ノー」の意思をつたえるための方法を考えるようにしてください。「状況さえ許せばやってあげたいのは山々だけど」という言い方もあります。コミュニケーションにとって一番大切なのは、自分の考え方や感情や言葉、そしてその状況などに注意を集中することです。
③仕事のストレス
時間ストレス、対人ストレスは、全て仕事に結びついて生じるものと言えます。お金を稼がなけれならないということが、こうしたストレスをより大きなものにしていると言えます。どんなふうにしたら自分の仕事のストレスが改善されるか、事例としてあげますので、一番良い方法を見つけてみてください。
- 目だ覚めた時に、今日、仕事に行くのは”自ら選択したことである”と確認してください。確認できたら、今日するはずの仕事をざっとたどり、心の中に刻みつけてください。
- シャワーを浴びる、服を着る、朝食を取る、家族と言葉をかわすといった、出勤するまでの全てのプロセスを意識的に行ってください。その時には、常に自分の呼吸と体に注意を集中してください。
- 「行ってきます」という言葉を、機械的に言わず、相手と目を合わせ、その瞬間をゆっくりと、しっかりと確認しながら言ってください。家族が起きる前に出勤する人は、朝の挨拶と共に自分の気持ちを表現するちょっとしたメモを残しておくと良いでしょう。
- 通勤にバスや電車を使う人は、歩いているときも、立って待っているときも、乗り込んだり降りたりする時も、自分の体に意識を向けてください。職場に入る時も呼吸に注意を集中し、心の中で微笑んでいるようなつもりでいてください。
- 仕事中も、時々、自分の体の感覚に注意を向けてください
- 仕事中に歩く時は、できるだけゆっくりと注意を集中しながら歩いてください。
- 休憩は本当にリラックスしていください。3分間でも建物の外に出て、散歩したり深呼吸をしてみてください。コーヒーやタバコはやめましょう。
- 休憩や昼食時間は、一緒にいて気持ちが落ち着く人と過ごすべきです。そういう人がいない場合は1人で過ごしましょう。昼食時間には環境を変えて、静かに注意を集中して食べるようにしてください。
- 1時間に一回、1分間だけ仕事を離れて、呼吸に集中してください。
- 仕事中にも、注意を集中したり、リラックスできるきっかけを見つけてください。
- 仕事中は、人とのコミュニケーションにも注意を向けてください。
- 1日の仕事を終了する時は、今日やった仕事をもう一度見直し、明日しなければならないリストを作ります。
- 会社を出たら、自分の歩き方や呼吸に集中し、仕事から離れてどんな変化が現れるかを観察してください。
- バスや電車で帰る人は、自分の歩き方、立ち方、座り方を意識してください。
- 家の扉を開ける前に「自分は今帰ってきて、家の中に入ろうとしている」と意識してください。
- 帰宅したら、できるだけ早く仕事用の服を脱いでください。意識的に家庭での自分に変わることができます。
YouTubeで紹介
要点
- 瞑想を行う上では、評価を下さず、忍耐強く、初心を忘れず、自分を信じて、むやみに努力せず、受け入れ、とらわれないことが重要である。
- ”今”しかない瞬間に意識を集中し、”今”という時間を生きるようにしてください。自動操縦状態を抜け出し、”今”を意識し、受け入れることができれば、生活はより豊かになります。
まとめ
私も含め、人は日々、人間関係に不安を持っています。私の場合、自分の仕事のスタンスや成果に対して理解をされない、認められないことに不満や苛立ちを抱いています。例えば、私のスタンスは誰もやりたがらない仕事を拾い、物事を前に進めようとすることに信念を持っていました。誰もやりたがらない仕事とは、面倒な割には自分の評価につながらないもの、あるいはイレギュラーな対応が多く、自分の知識や経験を活かすことないため、その業務に関わると、他者に頭を下げて教えてをこう、あるいはお願いすることがあります。協力してもらった周囲の人に感謝をしながらも解決に向けて前に進めていく。イレギュラーゆえに、巻き込まれた人は本業以外の業務が増えるため、解決したとしても感謝されることなく、迷惑がられることが多い。自分の信念でそのような自ら役割を担いつつも、「理解をされない、認められない」ことに不満や苛立ちもあることが否めない。そういった前提のもと、仕事に向き合っているため、人の話に集中できない、結果、相手の伝えたいこと、求めていることを理解できず、人との信頼関係を構築できず、負のスパイラルに陥りがちでした。私の例を出しましたが、このようなことは皆さんにも思い当たることはあるかもしれません。
ただ、本書と出会い、瞑想を通じて、”今”しかない瞬間に意識を集中し、”今”という時間を生きる、その間は全ての雑念を消し去ることができるようになってきました。それにより心の“健康”を取り戻すことができた気がします。最初から上手くいきませんでしたが、まずは“瞑想する時間を作る”ことを強く意識しました。例えば、早朝サーフィンを自転車でいく過程で行き帰り30分間で自転車に乗りながら瞑想したり、無料の円覚寺オンライン座禅会もその一つです。それを続けることで、徐々にできている“気”になってきます。挑戦を始めたばかりの人は、まずその“気”が持てることが大事なのではないでしょうか。瞑想はお金もかからないし、どこでもできます。少しでも人間関係や人生に不安を感じている方は瞑想をチャレンジしてみてはいかがでしょうか。