カンヌ映画祭パルムドールを受賞した『万引き家族』
血の繋がりではなく、お金、犯罪で繋がる家族。
だが強く印象付けられるのは、
血の繋がらない人たちの共同体の温かさと豊かさだ。
古い平屋の家主初枝(樹木希林)の年金を目当てに、
治(リリーフランキー)と信代(安藤さくら)夫婦、
息子の祥太(城桧吏)、
信代の妹の亜紀(松岡茉優)が暮らす。
彼らは初枝の年金で足りない生活費を万引きで稼ぐ。
社会の底辺にいるような一家だったが、
いつも笑いが絶えない日々を送っている。
ある事件をきっかけに家族はバラバラになっていき、
それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。
この物語は実際にあった親の死亡届を出さずに
不正年金を受給し続けていた家族の事件をもとに描く。
「家族」とはなんなのかを考えさせらた。
法的な繋がりの家族が幸せであるとは限らない。
自分の居場所を実感できるのが幸せ。
そして自分の居場所を実感できる場所が家族でありたい。
それは法的な繋がりである必要はない。
彼らが盗んだものは絆。
そして「教えられることが万引きしかない」
というリリーフランキーのセリフが心に痛む。
自分に教えられることは何があるだろうか。
自問自答してしまう。
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